2022年受賞結果
日本全国から、働き方をアップデートするたくさんの取り組みが寄せられました。厳正な審査を経て選出された受賞作品をご紹介します。最終審査会や授賞式の様子、受賞者のコメントをまとめたダイジェストムービーや、受賞者のみなさまへ実施したインタビューnote記事もぜひご覧ください。
学校法人 新渡戸文化学園
ダイバーシティあふれる未来の学校づくり~二刀流教員×学外人材×旅する学校~
教員を憧れの職業に。副業解禁や学外社会人の参画などで多様な学園環境を構築
近年教員には過度な奉仕が求められ、ブラックな労働環境が大きな課題となっている。教員志望者数は毎年過去最低を更新し続けており、全国で教員不足の悲鳴が聞こえる状況でもある。そこで同校は、本来素晴らしい職業である教員を憧れの職業にすべく、未来の学校に進化するための最上位目標を「Happiness Creator」と設定。その目標に向け、教員の副業を加速させた「二刀流教員」の導入、多様な学外社会人の教育への参画、「チーム担任制」の導入、毎週水曜日に終日探究を行えるクロスカリキュラム、最前線の社会課題に出会うスタディツアーの開始など、新しい学校への進化を進めている。その結果、20名以上の優秀な教員やさまざまな経験を持つ学外人材が新たに学園へ参画。多様な学園環境の構築が実現し、教師や生徒の幸福度にもよい変化が生まれている。更に、未来の学校への進化を日本全国に伝える活動も積極的に実施。この3年で100を超える視察受け入れや、各教員による講演や登壇により、学園の現在地や課題について広く伝え、日本の教育全体の進化にも貢献している。
働き方や取り組みが、世の中に新たな気づきや前向きな影響を与えた人物。
映画監督
是枝裕和
「日本版CNC設立を求める会」の設立を始めとした日本映画界の労働環境改善を求める活動
コロナ禍による映画館の閉鎖や、撮影現場スタッフの長時間・低賃金労働、相次ぐハラスメントの告発など、日本映画界には多くの問題が存在する。こうした状況を改善し、日本映画製作の持続可能なシステムを作るために映画監督有志とともに「action4cinema/日本版CNC設立を求める会」を立ち上げた。CNCはフランスの国立映画映像センターで、映画製作や興行を支援する仕組みを持っている。日本版CNCに求めるのは、「教育支援」「労働環境保全」「製作支援」「流通支援」の4つを柱に、ハラスメント対策への支援やジェンダー平等の促進など、映画を持続可能な産業として多様性を尊重する芸術文化として支援していくことである。これまでに文化庁へハラスメント防止策についての要望書の提出や、一般社団法人日本映画製作者連盟へ労働環境保全・ハラスメント防止に関する提言書の提出を行ってきた。2022年6月には会立ち上げの会見を開き、フランスのCNCや韓国のKOFICのような、業界内を横断的に統括し支援金を分配する共助システムの必要性を訴えた。
講評
これまで「いいものを作るため」という大義の中で、労働環境の改善が後回しになってきた映画業界。映画界が持続的に活動を続けていくため、そしてそこで働く人たち全ての権利とやりがいが守られるために、フランスの「国立映画映像センター(CNC)」をモデルとした日本版の立ち上げを、是枝氏のような世界的に著名な監督が主導すること自体、問題を可視化させ社会に対して訴求することに繋がると思っています。志を同じくする監督たちに呼びかけ、連携していることも映画界が変わろうとする一歩になると信じています。
私たちが映画などのコンテンツを楽しめている裏にはどんな構造的な問題があるのか、それを知るきっかけにもなると同時に、映画界だけでなく音楽業界やテレビなど同様の問題を抱える業界にもいい影響を与えることを願っています。(浜田 敬子)
働く人の成長やキャリアアップにつながる取り組み。
学校法人 新渡戸文化学園
ダイバーシティあふれる未来の学校づくり~二刀流教員×学外人材×旅する学校~
教員を憧れの職業に。副業解禁や学外社会人の参画などで多様な学園環境を構築
近年教員には過度な奉仕が求められ、ブラックな労働環境が大きな課題となっている。教員志望者数は毎年過去最低を更新し続けており、全国で教員不足の悲鳴が聞こえる状況でもある。そこで同校は、本来素晴らしい職業である教員を憧れの職業にすべく、未来の学校に進化するための最上位目標を「Happiness Creator」と設定。その目標に向け、教員の副業を加速させた「二刀流教員」の導入、多様な学外社会人の教育への参画、「チーム担任制」の導入、毎週水曜日に終日探究を行えるクロスカリキュラム、最前線の社会課題に出会うスタディツアーの開始など、新しい学校への進化を進めている。その結果、20名以上の優秀な教員やさまざまな経験を持つ学外人材が新たに学園へ参画。多様な学園環境の構築が実現し、教師や生徒の幸福度にもよい変化が生まれている。更に、未来の学校への進化を日本全国に伝える活動も積極的に実施。この3年で100を超える視察受け入れや、各教員による講演や登壇により、学園の現在地や課題について広く伝え、日本の教育全体の進化にも貢献している。
講評
教育現場の働きやすさの議論は長い間閉ざされた世界の中にありました。この新渡戸文化学園の取り組みは、その状況に変化をもたらす意義ある大きな一歩になるのではないかということを審査員でディスカッションしました。二刀流教員、学外人材、旅する学校という取り組みは、いずれも教育の現場と社会をつなぐものであり、その結果教員の働きがいと働きやすさが実現するという創造的で時代の先を照らす先進的な問題解決です。こうした社会に対するインパクトの可能性もこの取り組みが評価された背景でした。この取り組みがより多くの方に知られることで、他の教育現場への波及や教員の働きやすさ議論の活性化が進展することを期待しています。(岩嵜 博論)
多様な働き方を推奨するための試みや、その仕組みづくり。
一般社団法人 日本芸能従事者協会
特別加入労災保険センターおよび相談窓口「芸能従事者こころの119」
芸能従事者の労災加入とメンタルケアを促進。業界の安全衛生意識の向上に貢献
芸能従事者の労働災害は十分な補償が得られないことが多くあり、以前より問題になっていた。スタッフ等も含めた芸能業界はフリーランス率が94.6%(文化庁調べ)のため、セーフティネットがない状況が常態化していたのだ。そんな状況を受けて厚生労働省が2021年4月1日に特別加入労災保険制度を改正し、芸能従事者も新たに労災保険の加入対象になった。そこで同日、全国の芸能従事者がオンラインで労災保険に個人加入できる全国芸能従事者労災保険センターを設立し、追って母体法人となる日本芸能従事者協会も設立。両者で連携して芸能業界の安全研修や待遇改善の活動をしている。また協会の活動の一環として、「芸能従事者こころの119」も開設。コロナウイルスの流行でエンタメ興行が激減した2020年春以降、芸能人の自死が相次いだ状況を受け、芸能従事者への早急なメンタルケアが必要と考え、24時間いつでも臨床心理士に相談できる相談窓口を用意した。顔や声が特定されないメール相談形式を採用し、利用ハードルを下げる工夫を行っている。結果、労災保険には69業種の芸能従事者が加入し、協会には団体会員を含め約4万9000名が加入。芸能業界におけるセーフティネットの構築、業界全体の安全衛生の意識向上に貢献している。
講評
海外では大物プロデューサーや大物俳優による性暴力の告発が相次ぎ、それは#MeToo運動へと発展し、ジェンダー平等を求める世界的なうねりとなりました。日本でも今年になって映画界における性暴力が報道されたばかりです。
俳優やタレントなどはフリーランスという立場であり、さらにプロデューサーや監督から「起用され」なければ仕事がないという、極めて「弱い立場」にあります。その人たちの権利をどう守っていくのかは長きにわたって放置されてきました。こうした相談窓口ができることは、芸能界で働く人たちの権利や健康を守っていくためにも大きな1歩です。
またフリーランスの支援体制をどう作っていくのかは、芸能界に限らず、喫緊の課題です。現在、日本のフリーランス人口は約460万人。今後、プラットフォーム企業と個人事業主として契約する「ギグワーカー」も増えることが予想される中で、他の業界のフリーランスの権利保護、支援のためにも非常に意味のある活動だと思っています。(浜田 敬子)
従業員を含めた組織全体の働く意識やカルチャーを変える取り組み。
株式会社カミナシ
全社員で同じ目標を持って働くために、SFプロトタイピング小説でイメージしやすいビジョンを策定
自社の未来像を全社員で小説化。新たなビジョンを組織の共通言語にすることが可能に
社員数が10名規模だった時に同社が策定した旧ビジョンはミッションと同一のものであり、組織が100名近くになる頃「自分たちの会社は何を目指しているのか」という声が上がるようになった。事業フェーズとしても、それまでCEOの起業ストーリーなどに共感して入社する社員が多かったところを、自社の描く未来に共感して入社してくれる状態に変える必要があったため、社のビジョンを新たに策定することを決意した。だが、単に策定するだけではなくメンバー一人ひとりが理解して自らの言葉で語ってもらえる状態を作るために、CEOだけでなく全社員を巻き込みビジョンを考えるワークショップを実施。SFプロトタイピングという手法を用いて、各個人が「カミナシの2030年の未来を想像する」というテーマのショートショート(短い小説)を執筆し、そこからピックアップしたエピソードとCEOが執筆した原作を元にプロの小説家が一つの小説に仕上げた。発表後のアンケートでは、ほとんどのメンバーが自社のビジョンを「理解できた」「とてもよく理解できた」と回答。新旧メンバー問わず、社として目指す未来への理解・共感を広く得ることができる取り組みとなった。
講評
従来であればパワポ数ページにわたって、ペルソナ、提供する価値、未来像...と表現していたであろうコーポレートヴィジョンを、小説というフォーマットで表現すること自体ユニークですが、それ以上にスライドごとのぶつ切りではなく、一本の太いストーリーとして語り、読み手を引き込ませ、より高い解像度で、より深く共感させることができる点で、非常に合理的な取り組みであると感じました。未来への見通しを解像度高く立て、社内外へ浸透をさせるという両軸において、面白く効果的なアプローチであるように感じます。全社参加型のワークショップも含め、弊社、株式会社水星でもぜひ取り入れていきたいと思っています!(龍崎 翔子)
性別・年齢・能力・国籍などに関わらず、さまざまな人が心地よく働くための取り組み。
株式会社アクティベートラボ
障害者のできる仕事エンジン「UnBi(アンバイ)仮」搭載 障害者雇用サービス
障害を持つ求職者と採用企業の双方に、情報を適切に伝達。障害者雇用を活性化
病気の後遺症で障害を負った代表自身が、障害者としての就職活動に苦慮したことをきっかけに、日本の障害者雇用を変えたい、という想いを抱いて開発したサービス。これまで義務的雇用として捉えられてきた障害者雇用を、戦略的雇用に変えることを目指したものである。障害者雇用をITでバックアップし、採用企業と障害を持つ求職者の双方に必要な情報や理解を適切に伝達して出会える仕組みを実現できれば、障害者雇用はより活性化するという信念のもとサービスを開発した。障害者が自身の症状を入力するだけで、「概要」「ファシリティ」「コミュニケーション」「業務」が自動的で表示される。これにより、求職者は面接時に障害の説明に時間を使う必要がなくなり、自身の能力の説明に終始することができるようになった。採用企業も障害者への間違った認識を正すことができ、適切な雇用ができるようになった。こうして入社時のボタンの掛け違いを防ぐことで、障害者の企業への定着状況が改善されるようになった。
講評
D&Iという言葉が私たちの生活の中でもよく語られるようになりつつありますが、自分と違う特性を持つ方への知識や理解はまだまだ追いついていないのが事実ではないでしょうか。今回D&I部門を受賞したアクティベートラボは、障害者の雇用に対して社会や企業に足りないものをITの力でバックアップしてくれるシステムを提供するということにとても興味を覚えました。足りないものとは、障害者に対する知識、理解です。その不足によって生まれた採用のミスマッチを防ぐことで、障害者にとっても企業側にとっても長く活躍してもらえる最初の一歩が踏み出せると思います。その一歩はとても大きな一歩だと思っており、お互いのことを正しく知ることはD&I推進の重要な要素だと思います。(副島 智子)
出版物・映像作品・広告・SNSの発信など、世の中に対して働き方にまつわる新たな気づきや影響を与えた作品・メッセージ。
うえはらけいた/マスナビ
新人コピーライターの成長を描く漫画「ゾワワの神様」
広告業界の働き方をテーマにした作品ながら、さまざまな職業の読者から共感の声
広告系就活サイト「マスナビ」は、広告業界を志望する学生の減少という課題に対し、就活生に広告業界の魅力を伝えるための漫画作品制作を漫画家・うえはらけいたに依頼。うえはらは、実際に広告業界に就業していた自身の経験を元にした企画を発案。広告業界で働く先輩のリアルな声に触れることができる指南書のような漫画作品を作ることで、学生に対する広告業界の魅力付けにとどまらず、同業界や他業界で働く若手も鼓舞する大きな活動になるのではと考えた。作品のタイトルは、自身が仕事で出会った「鳥肌の立つような体験」から発想し、「ゾワワの神様」と名付けた。毎話、職種や働き方への向き合い方もさまざまな“先輩”を紹介し、アイデアを読者が持ち帰ることができる構成としている。また、「マスナビ」のメディア外でも発話・拡散が生まれるように各種SNSにも作品を投稿した。Twitterでは公開エピソードのビュー累計数は3,263万インプレッションを記録し、広告業界に限らずさまざまな業界で働く人々からも多くの共感の声が上がった。
講評
ゾワワの神様は、コピーライターが成長していくストーリー。広告業界のプロフェッショナリズムがよくわかる。色んな人がいるんだな、と知ることができる。そしてストーリーも表現も面白い。
・・・でも、それだけじゃない。
個人的な話で恐縮だが、僕は、D川さんのエピソードで、初めてゾワワの神様に出会った。読んで、泣いた。何度も泣いた。「ゾワワ」どころではなかった。号泣した。
そして他の話も読み、泣いた。これが仕事だ。これがものづくりだ。これがメッセージだ。これがチームワークだ。
こんな素敵な世界を描いてくれてありがとう。全ビジネスパーソンよ、ゾワワの神様を読み、ゾワワと感じてほしい。
ここに仕事の未来がある。(伊藤 羊一)
給与・福利厚生・報酬など従業員が享受するベネフィットに関する取り組み。
エンプロイー ベネフィット部門の本年度の該当取り組みはありません。
グランプリ・部門賞に表彰された8件の取り組みのほか、最終選考まで選出された15件の価値ある取り組みを紹介いたします。キャリア部門
ワークスタイル&プロセス部門
ニューカルチャー部門
エンプロイー ベネフィット部門
ダイバーシティー&インクルージョン部門
コンテンツ部門
「WORK DESIGN AWARD」から探る、働きやすさの最前線
WORK DESIGN AWARD 2022を振り返るダイジェストムービー。全国から約100の応募が寄せられ、教育界の働き方、芸能従事者の社会保障、障害者雇用などの課題に向き合う5つの取り組みが選出されました。最終審査会や授賞式の様子、各取り組みについて、受賞者や審査員へのインタビューを交えてお届けします。
本動画は字幕をご用意しているほか、動画の書き起こし記事も公開しています。WORK DESIGN AWARDを主催している「SmartHR 働くの実験室(仮)」プロジェクトのnoteでも、2022年度受賞者のみなさんへのインタビューを随時掲載していきます。
伊藤 羊一
Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長
WORK DESIGN AWARD に応募の皆様、ありがとうございました。入賞者の皆様、おめでとうございます。審査員、そしてチーム一同、応募書類ひとつひとつに真剣に向き合い、感激し、時に深くうなずき、時に涙しながら、審査をさせていただきました。全エントリーにお礼を申し上げます。皆様の取り組みが、日本の働くを元気にするし、未来を作ります。素敵な取り組みに、心から感謝です。
岩嵜 博論
武蔵野美術大学 クリエイティブイノベーション学科 教授/ビジネスデザイナー
今回審査を担当させていただいて、働き方を変えることは未来の社会をつくることだということを実感しました。今回受賞されたエントリーはどれも未来の社会の姿を照らす灯台のような存在だと思います。未来の社会は一つの組織や一人の努力だけでは実現しません。多くの方が行動することでその姿が見えるものだと思います。今回の受賞エントリーを通じて灯台が照らす未来がより多くの方々に伝わっていくと嬉しいです。
副島 智子
株式会社SmartHR 執行役員/SmartHR 人事労務 研究所 所長
withコロナの時代、みなさんがどんなことに注目しているのかとても楽しみにしていました。昨年のキーワードは新しい働き方の受け入れによる「民主化・当事者意識」でしたが、今年は「社会課題」に注目した取り組みをする企業が多かった印象です。取り組みが社会にどんなインパクトを与えられるのか、広い世界観を持って「自社ができることは何か?」を多くの企業が考えていることが知れて温かい気持ちになりました。社会にどんな貢献ができるのか、一人ひとりが自分ごととして考えられるきっかけがこのWORK DESIGN AWARDを通じて広まることを期待します。
浜田 敬子
ジャーナリスト/前Business Insider Japan統括編集長/元AERA編集長
コロナ禍での働き方を試行錯誤したものが多かった昨年に比べて、今年はより未来に向けて私たちはどう働くのか、どんな働き方が個人の幸せや豊かな社会に繋がるのかを追求していたものが多かったですね。受賞した各団体や企業、個人に通底するのは、誰もが持っている能力を発揮できることでやりがいを持てる仕組みを模索していることでした。これまでなかなか働き方がアップデートされにくかった教育界や芸能界、障がい者雇用の分野での取り組みが選ばれたことで、他の企業や団体にも改革が伝播していくことを願っています。
龍崎 翔子
水星, Inc.代表/CHILLNN, Inc.代表/ホテルプロデューサー
今年も、新しい時代の働き方に向き合い、真摯に取り組んでいる企業様の取り組みを拝見でき、多くの刺激をいただきました。大きな流れとして、働く人の輪郭(強みや特技はもちろん、ライフスタイル、disablityや単なる好き嫌いまで)を包括的に受け止める職場環境の制度設計が求められているように感じます。ぜひこのWORK DESIGN AWARDの結果が社会に一石を投じるきっかけとなり、外部へ副次的に波及していくことを願っています。
昨年に引き続き2回目の開催となったWORK DESIGN AWARD。
今年は98件の取り組みにご応募いただきました。心より感謝申し上げます。
そして、受賞された6組のみなさま、誠におめでとうございます!
ご応募いただいた一つひとつの取り組みから、組織や業界の課題に真摯に向き合い、それぞれの企業や団体ならではの解決法を見出そうとされている様子を窺うことができ、これまでの常識にとらわれず働き方をよりよくしようとするみなさまの強い意志を感じました。
そして、数多くの素晴らしい取り組みの中から、今の社会に特に大きな気付きをもたらし、これからの日本社会における働き方の新たな兆しとなるであろう6つの取り組みに受賞いただくことができたことを、本当に嬉しく思っています。本アワードを主催する私たちSmartHRは「well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」というコーポレートミッションの下に企業活動を行っているのですが、今回受賞された取り組みはどれも労働現場における課題解決の最前線といえるものであり、これらの素晴らしい取り組みの存在を多くの方々に届けるために、これから尽力して参ります。
改めまして、たくさんのご応募をありがとうございました!
WORK DESIGN AWARDはこれからも続いていく予定です。
次回開催の際にも、社会の働き方を照らす新たな兆しと出会えることを楽しみにしております。
講評
教育現場の働きやすさの議論は長い間閉ざされた世界の中にありました。この新渡戸文化学園の取り組みは、その状況に変化をもたらす意義ある大きな一歩になるのではないかということを審査員でディスカッションしました。二刀流教員、学外人材、旅する学校という取り組みは、いずれも教育の現場と社会をつなぐものであり、その結果教員の働きがいと働きやすさが実現するという創造的で時代の先を照らす先進的な問題解決です。こうした社会に対するインパクトの可能性もこの取り組みが評価された背景でした。この取り組みがより多くの方に知られることで、他の教育現場への波及や教員の働きやすさ議論の活性化が進展することを期待しています。(岩嵜 博論)